光のもとでⅠ

　紛れもなく俺の兄と姉。
　そのふたりを交互に見ては、
「胃カメラぐらいなら我慢する。でも、もう内視鏡手術なんてやだからなっ」
　と、若干涙目になりながら秋兄が小さく宣言した。
　でもさ、それって――。
「秋兄が不摂生をやめれば八十パーセントは回避できると思うけど？」
　間違いなく普段の不摂生が八十パーセントを占めていると思う。
　すると、
「司、おまえはいい医者になるかもしれないな」
　と、父さんが楽しそうに笑って病室を出ていった。
　兄さんと姉さんは床にはいつくばって笑っている始末だ。
　そんなに笑うようなことだっただろうか。
　単なる事実だと思うんだけど……。
「司、おまえしばらく来なくていいからなっ」
　珍しく感情的な秋兄。
　感情的っていうか……なんだろう？
　あぁ、穴があったら潜りたいって心境かも。