「はいはい、この部屋なら仕事もできますしね」
「仕事は却下だ。明日手術をすれば三日の絶食になる。水分も摂れない。一週間は安静にしているんだな。蔵元くん、秋斗のパソコンは私が責任を持って預からせていただきます」
「承知いたしました」
 蔵元が俺のパソコンを涼さんに渡してしまう。
「それから……消灯と起床時間は厳守だ。しばらく規則正しい生活をしてとっとと体内リズムを直せ」
 楓に言われて愕然とする。
「まさか消灯時間って九時……?」
 訊くと、涼さんが答えてくれる。
「それに何か問題でも?」
「……眠れそうにないのですが」
「安心していい。軽い睡眠導入剤を出しておく」
 司そっくりの顔がにこりと笑って解決策を提示した。
 ……この人いくつだっけ。全然中年に見えやしない……。
 翠葉ちゃんが見たらどれほど喜ぶことか……。