光のもとでⅠ

「……なんだかんだ言って、秋斗くんも真面目なのよねぇ」
 真面目というか、実際はしばらく入院することになる。
 強制的に彼女と距離を取ることができれば、自分を立て直すことができるかもしれない。
 なんにせよ、今のままじゃいけないことは明白だ。
「何かあればいつでも話くらい聞くわよ?」
「はは、ありがたいです」
「……ショック受けるようなことを話してごめんなさいね。秋斗くんも色々と思うことがあるでしょうけど……」
「教えてもらえて良かったです。俺がしたことの結末ですから。今日はそれを確認するためにマンションに戻ってきました」
 そう、湊ちゃんから連絡がなければ、それを確認するためだけにここへ戻ってくる予定だった。
 少し順番がずれただけであり、これは聞くべきことだった。
「じゃ、自分そろそろ行きます」
「えぇっ!? せっかくコーヒー淹れたのに飲まないのっ!?」
「すみません。ちょっと胃の調子が悪いんです。昨日の酒があと引いてるみたいで」
「あらそう……。でも、飲める相手がいるっていいものよね」
「管巻いて、どうにもならないところに静さん登場ですよ。鼻で笑われてしまいましたが」
 適当に話を逸らしてとっとと退散することにした。