光のもとでⅠ

 だって、お父さんとお母さんは仕事が大好きで、今とても楽しく仕事をしていると思う。
 大変な仕事であればあるほど、終わったときの達成感につながると話していたもの。
 私は両親の仕事の犠牲になんてなってないのに……。
 むしろ、誇りに思うくらい。
「あっ――」
「どうした?」
「唯兄、私静さんにいってらっしゃいって言うの忘れちゃった」
「……さすがはリィだな」
 唯兄が呆れたふうに口にしてはケラケラと笑う。
 ひとしきり笑うと、「起きられそう?」と訊かれた。
 体の不調はとくに感じておらず、コクリと頷くと、
「じゃ、あっちでお茶でも淹れよう」

 唯兄と離れてたときはあんなにも不安で仕方なかったのに、今はその欠片も感じない。
 唯兄がケトルにお水を入れて沸かす間に、私はポットにハーブティーをセットした。
 普段なら夜に飲むお茶。
 リンデンとミント、カモミールと、ラベンダー、ローズ、がブレンドされたお茶。
 このお茶を飲むと体があたたかくなり、精神的にもリラックスができる。
 カップは何を使おうかな?
 戸棚をじっと見つめていると、真っ白なカップが目に入った。