今日は、運悪く化学の授業と体育の授業で教室を開ける。
 その都度机の上に積み上がる包みを想像するだけでうんざりだ。
「私、こんなにモテる人間がすごい不機嫌オーラかもし出してるの初めて見た……」
「あはは……。俺は去年のうちに知ってたけど……触れるのはやめておこう。本当、笑顔でおっかないこと見舞われるから」
「それは危険……」
 嵐と優太は連れ立って俺から離れた。
 毎年の恒例行事とはいえ、正直面倒で面倒でたまらない。あれらを事務室に持っていくことも何もかも。
 午前の授業が終わる頃には教卓の上が満員御礼となり、これ以上積み上げられないことを悟る。
「ケン」
「はいはい、わかってますよ」
「俺も行こうか?」
 優太に訊かれ、
「一回で済ませたい」
「了解」
「司、ごめん。私はパス」
「かまわない」