【夏音side】
「夏音ー!爽くん迎えに来たわよー!」
えっ!?どうして爽くんが!?
ってのんびりしてる場合じゃなーい!!!
「よっ!」
爽くん朝からかっこよすぎるよ~。
「お、おはよう」
緊張して噛んじゃった…最悪。
「よし!んじゃ行くかっ!」
爽くんと登校できるなんて…夢みたいだよ~。
ってどうして私どきどきしてるのー!?
爽くんは初恋の人ってだけで今は違うのに…
「夏音?どうした?」
「えっ!?なんでもないよ?」
「そっか。」
爽くんの笑顔かわいいっ!
それから他愛もない会話をしながら登校した。


朝のHRの時間。
「えー今日は転校生を紹介する。」
ざわざわ。教室中がざわめきだす。
「入って来い。」
がらっ。
「きゃー!」「かっこいい!」
そんな声がクラス中から聞こえてくる。
「雨宮爽です。よろしくお願いします。」
「えーじゃあ雨宮は野崎の隣だな。」
「はい。」
えー!?爽くんが私の隣!?
でも嬉しいかも…。
「よろしくな。夏音。」
「うん…。」

それからいろんな女子が爽くんのとこにきた。
「はぁ…。」
「どうしたの?夏音。」
「奈瑠~。」
この子は南奈瑠(みなみなる)。
中学からの親友なんだぁー!
茶色のショートヘアではっきりしてる子。
目がぱっちりですごくかわいいんだぁー。
「あのね…。」
私は昨日からの出来事を話した。
そして爽くんを見るとどきどきすることも。
話し終えると奈瑠は「はぁ。」とため息をついてから…
「夏音。あんたばかね。」
えっ!?いきなりひどくない!?
「きっとすぐその気持ちに気づくわよ。」
「ん~。そうかなぁ?」
「うん。まぁ普通に過ごしなさい。」
奈瑠様・・・。適当すぎます…。

こうして1日をやっと終えた。
疲れたぁ~。
やっと帰れると思ってたのに。
「夏音帰るぞ。」
爽くんが私のところにやってきた。
周りの生徒は「えー!?」とか「どういうこと!?」
とか口々に言っている。
「爽くん!?みんなに誤解されちゃうよ!」
「そんなこといいだろ?」
そう言って爽くんは私の手を引いて教室を出た。
手!手がっ!
どきどきが止まらない・・・。
もしかして爽くんのこと好きなのかな…?

「おい、夏音。家に着いたぞ。」
いろいろ考えてる間に家に着いた。
「あっごめん。ありがとねっ。」
「おう。じゃあ明日も迎えにくるから。」
爽くんは家に帰って行った。
明日もきてくれるんだ!嬉しいな~。
って嬉しい…?やっぱり…。
ううん。私爽くんが好きなんだ。