ヴァンタン

記憶を頼りに操舵室を探す。

でもそれは困難を窮めた。

大型客船の部屋数はとてつもなく多かったからだ。


それに此処へ招待されたのは確か十年以上も前の事。
何処に何があるかなんてとうに忘れてしまってる。

第一パパとの思い出さえ失ってもいたのだ。

自信などある筈もなかったのだ。