ヴァンタン

幽霊船が何かを曳航している……
それともその何かに曳航させられているのか……


でもそれは間違いなく、パパの乗っていた外国航路の大型客船だった。


――パパー! 私は此処だよ。パパを助けに来たよ。パパー、何処にいるの?

本当は大きな声で叫びたかった。


でももしキャプテンバッドに聞こえたら……




「パパ必ず助けにいくよ」
聞こえないないようにわざと小声で呟く。


まだ見つかっていないキャプテンバッド。

いつ遭遇するかも解らないから。