ヴァンタン

誰も居ない船。
そして弾薬。


――もしかしたら本当に海賊船?

もう一度そんな考えが脳裏に浮かんだ。
そしてある事を思い出す。


――そうだ……パパが襲われたのも海賊船だった……


――でも……誰も居ないなんて……


――嵐でも来て逃げだのかな?


――パパも一緒に?


――この船にパパが居ると思ったのに……


――だからあんなに頑張ったのに……

私は呆然としていた。