ヴァンタン

それは間違いなく、大砲とその中に詰める玉だと思った。


――此処は弾薬庫。


――間違いない!


――きっと海賊船だ!

私は自分の想像に頭を抱えた。


――まだそうだと決まった訳でもないのに。

私はもう一度弾薬庫を見詰めた。


「あれっ?」
私は何故か首を傾げた。

何かが足りなかった。
海賊なら太刀とか、刀系の武器がある筈なのに……

何も無かったのだった。


私は取り越し苦労だったと思っていた。