ヴァンタン

母の言った通りだった。
私を写したまま魔法の鏡は動かなかった。
だから絵だと思ったらしかった。
私がその絵を見て怖がったのを知っていて、そうしてくれていたのだった。


――それともパパの悪戯だと思っていたのか?


きっと世界一美しいのは私だと思わせる為だと……


――でも何故ママではなかったの?

もし絵を描いて貰うのだったら……


――愛する母の筈では?


私はそんな事を考えながらその絵? を外した。


そして思い出にあったように、屋根裏部屋に魔法の鏡を飾った。