ヴァンタン

私は、もう一度何かを感じる為に目を瞑る。


――そうだ。此処は……

この場所には沢山の思い出があった。


此処で寝なくなって何年が経ったのだろうか?




ハイジやアンに憧れ、物置だったこの屋根裏部屋に引っ越した。

あれは確か十歳になる前日だった。


突然現れたお・ね・え・さんと一緒に冒険に出発したのだった。

何処へって。

あれは確か鏡の中……


そうだパパのお土産の魔法の鏡だった……。