ヴァンタン

――雅……
やっぱり。


それは紛れも無く、あの時かかってきた電話だった。

私がキャプテンバットの骸骨と対峙していた時の。


――ありがとう雅、チビ。


私は現実に戻してくれた友達に感謝した。

改めて、素晴らしい友人を持った事に感動していた。




『ママー。パパの鏡知らない?』
私は突然、あの最後の手段を思い出した。


『どうしたの? 興奮して眠れない?』

そうだ。
確かに母はそう言いながら鏡のありかを教えてくれたのだ。

もしかしたら……
タイムスリップしたのは?


――あ、あーん。
解らない。判らない。
私は……一体?


――もう、ヤケクソ!

私は携帯を取り出した。


――怖いよ。でもこれしかない。

私は幽霊船の内部で撮影した画像を再生した。


――えっ!?

私は息を詰まらせた。

其処に映し出されたのは、大砲の弾薬だった。

でもその一つが、あのキャプテンバットの骸骨だったのだ。

私は慌てて画像を削除した。


――あっ!?
証拠写真を消しちゃった。


でも……
それでいいと思った。

あのキャプテンバットのことだ。
何時復活するか解らない。
もし輪の貞子のように……


――もし、この携帯のディスプレイから這い出してきたら……


――でも本当に削除出来たの?


――もしかして、あの画像は何処かを飛び回っているだけなのかも?

ふとそう思った。