ヴァンタン

屋根裏部屋で待っていたのはパパだった。

でも其処に居たのはパパだけではなかった、


「久しぶり」

そう言ったのは……


――あれっ!?
誰だっけ?


「雅君の双子のお兄さんだそうだ。ほら、一緒にフェンシングをやっただろう?」
パパが言う。
でも私には覚えがない。


それでも少しずつ思い出していた。


――そうだ。
雅は何時もお兄さんの応援していたんだ。