ヴァンタン

そして船が港に着く。
でも操舵室から、パパの姿は消えていた。

「パパーー!!」
私達は泣きながら船の中を探し回った。
でもパパの姿は何処にもなかった。
私は操舵室に残されていた合わせ鏡を手に取った。


「パパーー!!」
もう一度思い切り呼んでみた。

でもパパの声は聞こえて来なかった。



私達は泣きながら我が家を目指した。
手掛かりは合わせ鏡。


ピラミッドのような頂点を目指す事だった。


その先にある我が家を目指して。