ヴァンタン

戦いながら逃げる方法を考えた。


屋根裏部屋の魔法の鏡にたどり着く為には、港から歩かなければならない。

それは解っていた。


でも何処をどう歩いたかなんて解る筈がなかった。


――何とかしなくちゃ!


――パパを助け出しても助からなくなる。

私はパパに目をやった。


パパは合わせ鏡を開いていた。


そしてそれを満月に向かって差し出した。


その時。
トップライトにある筈の魔法の鏡が、甲板にあるガラスに写った。