ヴァンタン

骸骨に当ったサーベルが折れる。
私は途方に暮れた。
とりあえずそれで身構えながら、違うサーベルを探してはみた。

でもそれはかなり遠くにあった。


その時。
チビが新しいサーベルを投げてくれた。


――ナイス!

私はチビに向かってウインクを送った。


チビはどんどん大人になって行く。


――負けられない。
私は何故か焦っていた。


――馬鹿だな。何遣ってんだろう?


――チビを守ると決めたのに……


――チビに守られている。

私は何故かそれが急に誇らしくなっていた。