ヴァンタン

サーベルが唸る。


「つけ!」
パパが叫ぶ。

その声に私は思わず振り向いた。


「パパ!」
たまらずに叫んだ。


パパは必死に足かせを引きずりながら甲板に向かう階段を上っていた。


私は泣いた。

そしてもう一度、覚悟を決める。


――パパの為に頑張ろう。


――チビの為に頑張ろう。


――母の為に頑張ろう。




そして私は骸骨をサーベルで突く。


「ファンデヴー!」

チビも一緒になって突く。


チビっ子選手として幾度かの試合に参戦した。


チビは面白がっていた。


――どんな神経してるの?

でもそれは今も未熟だった私の葛藤。


――遣るっきゃない!

そう覚悟を決めた。


「マルシェ!」
一歩前へ出ながら私も叫んでいた。