ヴァンタン

「イヤだ! やっとパパと逢えたのに……」
私とチビはパパに取りすがった。


足かせを一生懸命外そうとするチビ……
それに気付き、私も参戦する。

それでもビクともしない。


「パパは大丈夫だ。殺すつもりならとっくに遣られていたさ。だから大丈夫」
パパはそう言いながら、チビの手から合わせ鏡を預かった。


「この鏡がきっと何かをしてくれる。パパを守ってくれる。だから逃げてくれ」
パパは私達の手をそっと外した。


「パパは船長だから、パパがいなくなるとこの船が動かなくなる。だから大丈夫だよ」


パパが泣いていた……
私達を守ろうとして強がりながら。


私はパパの気持ちが何となく解った。
私はチビの手をパパから離した。


チビの目が私を睨んだ。
それでも私はチビの手を取って逃げ出した。


「気をつけろよ!!」
パパが叫ぶ。

私は大きく頷いた。