ヴァンタン

私はハーフパンツのポケットに入れていた手鏡を思い出した。


私が魔法の鏡をねだった時にパパが買って来てくれた物だった。


でもパパは私の手鏡を見た時、同じように鏡を取り出していた。

お揃いとでも言うのだろうか?

それは同じ図柄の合わせ鏡だった。


「パパ……パパが魔法の鏡だって言って渡してくれた手鏡。本当はあれで良かったの」
私はチビの持っていた鏡をパパの鏡と合わせていた。


「この鏡は何処に置いてあった?」


「チビ……ううん私の部屋だけど、」

妙な事をパパは聞くなと思いながらも私は素直に答えた。


タイムスリップした時、確かにチビの枕元に置いてあったからだ。