「……文句言わないんだな、と思って。
昨日は遅くまで手伝わせてごめんな」
恥ずかしいのか、自身の髪をワシャワシャと手で掻き、言いながら私を見詰める先生。
「別に、文句を言っても何にもならないと思ったので。
謝る位なら最初からコキをつかわないで下さい」
迷惑だ、と先生を睨む。
すると、先生は目を見開き、信じられないと言ったように私を見る。
「今度から他の女子に頼んで下さい」
「……なんでだ?」
本当は、分かっているだろうに。
それを、あえて言わそうと急かす−−最悪だ。
「私の日常を壊さないで下さい。
はっきり言って、不愉快なんです」
そう、にっこり笑顔で言ってしまった。
先生は特に何も言わず、私をジッと見ているだけだった。