「久し振りやな、大阪も…」

俺の名前は高井俊。17歳の高校2年生だ。

東京の高校に通うため、中学卒業後すぐに大阪を離れた俺は、春休みを利用して、2年振りに里帰りをした。


特に帰ってくるつもりはなかったのだが、母が『帰ってきなさい』と、うるさく言うので帰ってきたのだ。


(あ、家に電話しとかな…)

俺はポケットから携帯を取り出して、実家の電話番号をプッシュした。