「岳都くんおはよう」


「おはよ」


しょうごはクラスの子と
挨拶を交わす。







わたしたちは朝、同じ時間に登校する。



いつもわたしの前を歩いている
あいつ、岳都 掌吾(がくと しょうご)




だけどわたしたちは
「おはよう」なんて言葉を
交わした記憶なんてない。






けどそんな毎日には
もう慣れた。



最初は淡い期待なんかしたけど
いまは、それが普通。





だからわたし、西内 凜(にしうち りん)も
しょうごには挨拶はしない。