「貴之、さっきの人は?」

「ああ……とりあえずオッケーだ」

「なにが」

 貴之の曖昧な返事に尚樹は不思議がったが、それ以上の言葉は返ってこなかった。



「美葉、尚樹。……さ、帰るぞ」
 


 三人は、大きな夕日を追うように、並んで歩き始めた。