ミックス・コーヒー

   ③

 美葉の自宅の場所は、案外わかりやすかった。
 住宅街の中の一軒家だが、一際目を引く家。

「美葉って、お嬢様?」

 他の家とは明らかに違う大きさ。
 白い外壁が眩しい。
 いわゆる豪邸と呼べるものだった。

 とても、一般人の家とは思えなかった。

 貴之は、もう一度表札を確認する。
 確かに<古亭路>と彫ってある。
 ここで、間違いない。

「すげえな」
 尚樹も随分驚いた表情をしている。

「もし、ヤバイのが出て来たらどうする?」と、試しに聞いてみる貴之。

「そしたら逃げる」
 尚樹の答えに、貴之は素でズッコケそうになった。