②

 美葉の連れて行かれた場所の見当はすぐについた。

「やっぱり、家に連れ戻された可能性が一番高いよな」

「……ああ」
 視線を下ろしたまま、貴之が頷く。

「美葉の家の人に、ここにいるってバレたってことかな」

「………」



 この場所がバレる?

 どうしてだ。
 探偵でも雇うか……それか、美葉自身の協力がない限りありえないのではないだろうか。


 
 貴之は、言いようのない怖さを感じていた。



「……美葉の家か。あ! さっきの、その免許証を見れば住所がわかるな」

 一方、尚樹は表情を少し明るくして、そう言った。