「と、いうわけで今日一緒に寝てもいい?」

「それはダメ! 本当にダメ!!」
 貴之が強張った表情で叫ぶ。

「なんで?」

「なんでって、おまえが年頃の女だからだよ」
「貴之だって年頃の男じゃん」
「だから、なおさらダメじゃん!」



 貴之が、いくら、どんなに強く言っても。
 翌朝、美葉の部屋である和室がなぜか空っぽなのは。
 
 もう、今更……不思議でもなんでもないことなのだろうか。