ミックス・コーヒー

「そのまま今度、俺が狙ったのは、手紙の持ち主であるだろう男だった。なんとしてでも処分しなくてはいけないと思った俺は、その頃から探偵を雇い、古亭路家を調査させた。それが川村だ」

 河内は、尚も続ける。

「その頃、ちょうど娘が家出したことを知り、一か八かでポストへ<川村探偵事務所>のチラシを入れたところ、まんまと釣れたんだよ。
これで、川村は家に出入りできるようになり、手紙の調査も進めやすくなった。
ところが、探しても探しても、探し物は見つからなかった。
痺れを切らした俺は、川村に放火の命令を出した。
が、ヤツはそれを拒否した。
犯罪に手を染めたくない、という理由ではないということはすぐわかった。
ヤツの狙いは、手紙を探し出した上での、俺への脅迫だということに気づいた。

俺は自ら、古亭路家に忍び込んだ。手紙の捜索中に古亭路誠と出くわした俺は、ヤツをとっさに殴り殺した。そして、手紙諸共燃やしてしまうため火をつけた」