③
「今でも、あの日のことはハッキリ覚えてる。
あの日の夜、オヤジは知り合いと飯を食べに行くと言って家を出た。向かった先はここのレストランだったんだ。
その帰り……そこの崖から車ごと落ちた。
そして、その日からオヤジは二度と家に帰ってこなかった。
事故だって、シゲさんから聞いてたけど、ずっと不思議だったんだ。
……なんで、現場にブレーキの痕が全くなかったのか」
貴之がうつむく。
そして、そのまま叫ぶ。
「シゲさん! 見せてくれよ……持ってるんだろ? <証拠>を」
「今でも、あの日のことはハッキリ覚えてる。
あの日の夜、オヤジは知り合いと飯を食べに行くと言って家を出た。向かった先はここのレストランだったんだ。
その帰り……そこの崖から車ごと落ちた。
そして、その日からオヤジは二度と家に帰ってこなかった。
事故だって、シゲさんから聞いてたけど、ずっと不思議だったんだ。
……なんで、現場にブレーキの痕が全くなかったのか」
貴之がうつむく。
そして、そのまま叫ぶ。
「シゲさん! 見せてくれよ……持ってるんだろ? <証拠>を」

