②

<美葉と美栗は自分の娘だ。美鈴もそれを認めている。>

 その手紙には、おそらく河内の字で、そのように綴られていた。



「誠さんへのあてつけのような内容ですね。この二通の手紙を見れば、当時の事が明らかになってきます」

 あえて淡々と感情を表さないように、貴之は述べた。



 河内心蔵は、古亭路美鈴を暴行した。
 その際に、双子の子供ができる。
 子供の誕生後、河内心蔵は古亭路美鈴から、子供は自分の子だということを聞いて知る。
 そして古亭路美鈴の夫である誠に、あてつけのような手紙を送る。

 そして、その五年後。古亭路美鈴は謎の死を遂げる。