すると、川村が苦しそうな呻き声を上げた。

 襟元を締め付けられているせいかと思ったが、この男のあまりの異常さに、貴之は思わずその手を離す。

 鈍い音をたてながら、床に倒れこむ川村。

 その姿は、明らかに尋常ではなかった。


「……うぐっ……うああ……ぐっ」


 もがき、のたうち回り、やがて川村がピクリとも動かなくなった。


「かっ、川村!!」

 シゲがその体を抱え上げる。



 川村の顔は、恐ろしい形相のまま、固まっていた。