「……これは……!!」

 ずっと部屋の中で尚樹達を見守っていた医者が、突然声を上げた。


 
 ミクリの<命の糸>が小さく動き出したのだ。



「尚樹!!」

 呆然とする尚樹に、貴之が駆け寄る。

「奇跡……?」
 そのモニターを、大きな目を更に大きくさせて見つめながら、美葉が呟いた。



 尚樹は、その場に座り込んでしまった。

 力なんて、入らなかった。


 ただ、ミクリにあげた<リング>だけは、しっかりとそのままだった。