ミックス・コーヒー

   ②

 病室のモニターの<それ>は、ミクリの心臓の停止を意味していた。



 尚樹達が走ってこの部屋に着いた時は、まだ僅かにミクリの命の糸は波打っていたのだが、たった今、完全にまっすぐな線になった。



「ミクリーっ!!」
 美葉が、声を上げた。

「そんな……嘘だろ……」
 貴之が、呆然と立ちすくんでいる。



 尚樹はしばらくの間、何も、どの言葉も音として出さずにいた。

 すると、不自然なくらいに落ち着いた様子で、ゆっくりと病室の上の空間を見上げた。



「ミクリ? まだ、そこにいるんだろ?」