ミックス・コーヒー

 貴之の声だった。

 自分達を探している。

 その様子は……とても焦っているようだ。

 尚樹の心臓が、ドクンと大きく波打った。



「……あ!! こんなとこにいたのか!」
 
 貴之が、尚樹達の姿を見つけて声を上げた。
 走ってきたのだろう、息を荒くしている。

「早く、病室へ……! ミクリが……」



 風が。

 止んだ。