二人は顔を見合わせる。

 お互いの言葉を待っている彼らの背後から、今度は美葉が話しかける。

「私、拾われた」

「「えっ?」」

「尚樹と貴之に」

「「ええっ?」」

「だから、二人、私の面倒をみて」

「「えええっ!」」

 美葉の発言に、仲良くハモってしまい、冷静になるとそんな自分達を気持ち悪く思うのだろうが、この時はそれどころではなかった。


 
 外では真っ黒な空が、また唸りだしていた。