ミックス・コーヒー

 必死でもがこうとするが、男の力には到底勝てず、ビクともしない。

「大丈夫、俺ら優しくするから。だから、たっぷり楽しませてね、イカちゃん」

 男の声に、吐き気がした。

 するとミクリ達のすぐ横に車が止まった。

 仲間の男だ。
 中からミクリに向かって手が伸びてくる。


 
 ……連れて行かれる。
 そしたら終わりだ。



 ミクリは強く目を閉じた。

 そして、無意識に<彼>の名前を、心の中で叫んだ。