ミックス・コーヒー

 鼻歌まじりに冷蔵庫を開ける。

「……あ」

 卵がない。
 でも、どうしても今、カルボナーラっぽい物を作りたい。

 ミクリは、コンビニへと向かった。



 コンビニに着き、卵を手に取る。

 ついでにプリンも……と、手を伸ばそうとした時、少し離れた所からヒソヒソと二、三人の若い男の声が聞こえた。



(おい、あれイカちゃんじゃね?)
(は? マジで?)
(絶対そうだって)



 ミクリは思わずドキッとした。

 そういえば、髪もメイクもそのままだ。
 普段は、なるべく気づかれないように、コンビニに来る時はスッピンなのだが、急いでいたのでうっかりしていた。