ミックス・コーヒー

   ②

 河内は、自分に出来ることがあったら何でもする、と言った。
 声を、震わせながら。

 美葉は結局最後まで、河内の話に頷いたり、肯定的な言葉を出すことが出来なかった。

 その隣で、ミクリはずっと涙目だった。



 河内が帰り、四人の間には沈黙が流れた。

「美葉、ごめんね」
 最初に口を開いたのはミクリだった。

「でも……河内さん、優しくって良い人だよ。それに、あたし、河内さんもかわいそうだって思う」

 ミクリがそう話す気持ちは、美葉にもなんとなく理解できそうではあったが、認めるわけにはいかなかった。

「……でも、ミクリ……<河内さん>って他人行儀だった」