都は、美しい紅色の空に包まれている。
龍星は、そんな空を見上げることもなく、今、牛車を呼び出すべきかどうか考えながら緩やかに足を運んでいた。
左大臣家を出てほどなく、何者かの気配を感じていた。
とはいえ、街中で騒ぎを起こすのも面倒ではある。
人通りの少ない場所まで来て、彼はようやく歩みを止めて振り返る。
そこにいたのは、まだあどけなさの残る童。
不意に振り返った龍星に、童は一瞬慌てた様子を見せた。が、同時に懐の中へと手を突っ込む。
その、黒い瞳は真っ直ぐに龍星を見据えていた。
――童、なのか?
龍星はすぐに違和感を覚えた。
童直衣を纏っているその子は、しかし。少年にしては不自然と思えるほどの長さの艶やかな髪を持っていたのだ。
龍星は、そんな空を見上げることもなく、今、牛車を呼び出すべきかどうか考えながら緩やかに足を運んでいた。
左大臣家を出てほどなく、何者かの気配を感じていた。
とはいえ、街中で騒ぎを起こすのも面倒ではある。
人通りの少ない場所まで来て、彼はようやく歩みを止めて振り返る。
そこにいたのは、まだあどけなさの残る童。
不意に振り返った龍星に、童は一瞬慌てた様子を見せた。が、同時に懐の中へと手を突っ込む。
その、黒い瞳は真っ直ぐに龍星を見据えていた。
――童、なのか?
龍星はすぐに違和感を覚えた。
童直衣を纏っているその子は、しかし。少年にしては不自然と思えるほどの長さの艶やかな髪を持っていたのだ。


