「私にも出来るかしら?」
「練習すれば、大丈夫。
姫がきちんと練習するなら、出来るようになるまで教えるよ」
くるり、と、毬が後ろを振り返り、二人のやりとりを眺めていた龍星を見た。
「お屋敷で練習しても良い?」
「もちろん。まだまだ花冷えしますから、そろそろ戻りましょう」
ごく自然に、龍星が毬の背中に手をかける。
「雅之様も、ご一緒に?」
「ええ。雅之の都合さえよければ、是非」
「喜んでうかがうよ」
二人乗りだったはずの牛車の屋形が、いつの間にか四人乗りへと代わっている。
そして、いつものことながら、引く人もいない牛車は正確に安倍邸を目指してほとほとと進んで行った。
鬼の埋まった桜の樹を後にして。
「練習すれば、大丈夫。
姫がきちんと練習するなら、出来るようになるまで教えるよ」
くるり、と、毬が後ろを振り返り、二人のやりとりを眺めていた龍星を見た。
「お屋敷で練習しても良い?」
「もちろん。まだまだ花冷えしますから、そろそろ戻りましょう」
ごく自然に、龍星が毬の背中に手をかける。
「雅之様も、ご一緒に?」
「ええ。雅之の都合さえよければ、是非」
「喜んでうかがうよ」
二人乗りだったはずの牛車の屋形が、いつの間にか四人乗りへと代わっている。
そして、いつものことながら、引く人もいない牛車は正確に安倍邸を目指してほとほとと進んで行った。
鬼の埋まった桜の樹を後にして。


