「雅之様、ごめんなさいっ」
毬は深々と頭を下げた。
予想外の行動に、雅之は言葉を失った。
鬼に操られて、雅之のことをひどく恐れた記憶は、龍星がきれいに消してくれたはずだ。
毬は意を決したように唇を開く。
「雅之様にとって、笛はとても大事なものなのに……
それを投げてしまって、本当にごめんなさい……」
感極まって、毬はその瞳から涙をこぼす。
深く頭をさげているので涙こそ見えなかったものの、その湿った声に雅之のほうが胸がつまり思わず大きな掌で姫の頭を撫でた。
「反省してるなら、それでいいよ。
もう、投げないでくれるかな?」
「……はい……」
毬はうつむいたまま、顔をあげない。
毬は深々と頭を下げた。
予想外の行動に、雅之は言葉を失った。
鬼に操られて、雅之のことをひどく恐れた記憶は、龍星がきれいに消してくれたはずだ。
毬は意を決したように唇を開く。
「雅之様にとって、笛はとても大事なものなのに……
それを投げてしまって、本当にごめんなさい……」
感極まって、毬はその瞳から涙をこぼす。
深く頭をさげているので涙こそ見えなかったものの、その湿った声に雅之のほうが胸がつまり思わず大きな掌で姫の頭を撫でた。
「反省してるなら、それでいいよ。
もう、投げないでくれるかな?」
「……はい……」
毬はうつむいたまま、顔をあげない。


