そのままふわり、と、龍星は自分の感情の赴くままに毬を抱き上げた。
「きゃぁっ」
毬は怯えてというよりは、むしろ驚いて声を上げた。
「迷惑だったらこんなところに連れてきませんよ。
そんなに遠慮されたら、むしろ淋しい」
艶やかな紅い唇を、毬の耳元に近づけ、甘い声で囁くように言う。
思わず照れて頬を染める毬の様子を見つめ、楽しむかのように笑う。
「龍星……様……。
私、自分で歩けますから」
「降ろして欲しいの?」
こくりと頷く毬は、まったくもって愛らしい。
「降ろしたら、一人でどっかに行ってしまうでしょ?」
「ここにいる……からっ」
唇が触れそうなほど顔が近づいてきたようにも思えたので、毬は慌ててそう言った。
「そう、では、約束ですよ?」
こくこくと、毬が頷くのを見届けてから、龍星はそっと毬を下へ降ろした。
「きゃぁっ」
毬は怯えてというよりは、むしろ驚いて声を上げた。
「迷惑だったらこんなところに連れてきませんよ。
そんなに遠慮されたら、むしろ淋しい」
艶やかな紅い唇を、毬の耳元に近づけ、甘い声で囁くように言う。
思わず照れて頬を染める毬の様子を見つめ、楽しむかのように笑う。
「龍星……様……。
私、自分で歩けますから」
「降ろして欲しいの?」
こくりと頷く毬は、まったくもって愛らしい。
「降ろしたら、一人でどっかに行ってしまうでしょ?」
「ここにいる……からっ」
唇が触れそうなほど顔が近づいてきたようにも思えたので、毬は慌ててそう言った。
「そう、では、約束ですよ?」
こくこくと、毬が頷くのを見届けてから、龍星はそっと毬を下へ降ろした。


