青年の笛が切ない音で綺麗な調べを奏でるのを、釈然としない想いで夜な夜な聴いていたのが、椛だった。

 これでは、折角桜を亡き者にしたというのに、青年を手に入れることが出来ない。


 なんとかしなければ!!!



 幾日も幾日も、悩み続けついに心を病んでしまった桜は、どうしようもなくおぞましい計画を立て、ひそかに実行することにした。
 



 なんと、椛は桜を掘り出し、その着物を自分で着て、裸にした遺体を燃やした。
 そして、例の桜の木の下で自ら服毒し、近しいものに金を渡して桜の木の下へと遺体を埋めさせた。

 青年は、桜の木の下の遺体がすりかえられたことにも気づかず、その命が尽きるまで愛しい想いを笛にのせて奏で続けたのだった。



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