砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】

 雅之はふわりと微笑む。人好きのする優しい笑顔だ。

「とても似合っているよ」

「本当?これ、華にやってもらったの」

 毬の世話をするために、安倍邸から華を呼び寄せてあったのである。

「すごく素敵だね。
 でも、毬の髪が早く綺麗に伸びますようにって、毎日神仏にお祈りするよ」

 実直な眼差しに、毬の頬がほころぶ。

「ありがとう。雅之の願いならすぐに叶えてもらえそう」

 それから、言葉を続ける。

「私、雅之がトビの真似があんなに上手だなんて知らなかったわ」

「上手かった?」

「うん、また、今度聞かせてね?」

「いいよ、教えてあげる」

 なんでもない友達同士の会話が、感情を和らげるにはとても心地良かった。

「毬姫、今から打ち合わせをしたいんだが」

 帝がぱちりと扇子を鳴らし、申し訳無さそうに会話を中断した。

「いいわよ。私は何をしたら?」

 毬の瞳がきらりと輝く。

「毬はお部屋で休んでいて」

 龍星が言う。毬の瞳がきらんと光った。

「嫌よ。
 この傷の責任は、私が直接兄にとらせるわ」

 凛とした声が部屋に響く。

 やれやれ、と。
 帝と龍星、このときばかりは気が合ったようで、視線を交わして互いに肩をすくめあった。