「こんなことに帝が、応じるとでも?」
僅か眉根を寄せた龍星の問いかけに、ククっと、低い声で行家が笑う。
揺れた拍子に、その剣の切っ先は毬の白い喉へと当たり、ツツーと紅い血が流れていった。
毬は悲鳴一つあげずにそれに耐える。
まだ、剣は皮膚を切っただけ。
叫ばないよう唇を強く噛み締め、ゆっくり呼吸を整えた。
「やめろーーっ」
突然、そう叫びながら、一人の男がかなりの速度で体当たりしてきた。
「きゃぁっ」
心の準備が出来てない毬はその衝撃に、思わず短い悲鳴をあげる。
しかし、行家の手は緩まなかった。
毬を腕の中に抱えたまま、ぐっとその衝撃を堪え、再び立ち上がった男に向かって、続けざま何事か、口の中で呪文を唱えた。
途端、ぼっという気味の悪い発火音がして、
「うわぁああああっ」
と、その男に火がついたのだ。
慌てた男は、草むらに転がる。
その様はまるで、火のだるまだ。
それを目の当たりにした者たちは三々五々に逃げはじめる。
僅か眉根を寄せた龍星の問いかけに、ククっと、低い声で行家が笑う。
揺れた拍子に、その剣の切っ先は毬の白い喉へと当たり、ツツーと紅い血が流れていった。
毬は悲鳴一つあげずにそれに耐える。
まだ、剣は皮膚を切っただけ。
叫ばないよう唇を強く噛み締め、ゆっくり呼吸を整えた。
「やめろーーっ」
突然、そう叫びながら、一人の男がかなりの速度で体当たりしてきた。
「きゃぁっ」
心の準備が出来てない毬はその衝撃に、思わず短い悲鳴をあげる。
しかし、行家の手は緩まなかった。
毬を腕の中に抱えたまま、ぐっとその衝撃を堪え、再び立ち上がった男に向かって、続けざま何事か、口の中で呪文を唱えた。
途端、ぼっという気味の悪い発火音がして、
「うわぁああああっ」
と、その男に火がついたのだ。
慌てた男は、草むらに転がる。
その様はまるで、火のだるまだ。
それを目の当たりにした者たちは三々五々に逃げはじめる。


