「それは、神主に対して失礼というものだろう」
あまりの笑いっぷりに軽く呆れた雅之が正論で諭すと、龍星はいたずらっ子の瞳で軽く肩をすくめた。
「まぁ、山奥であの神社を護っているということだけで、尊敬には値するけどな」
と、ぼそりと呟く。
「それより、今日も俺の仕事がなかったではないか」
雅之は不服そうに唇を尖らせる。
「何を言う。
早朝から馬を手配してくれたではないか。
助かった、ありがとう」
色っぽささえ感じる優美さで振り向き、わざわざ目を合わせて龍星が礼を言う。
そうして、雅之が照れたように視線を逸らすのを見て、また、喉の奥で笑うのだ。
どうも今日の龍星にはいたずらっ子の精神が宿ったようですらあった。
計画が首尾よくいってご機嫌なのだろうとは分かるが、それにしても雅之にとっては面白くはない。
「それだけか?」
「まさか」
龍星は再び雅之に視線をやる。
「今からだよ、今から。
お前にはうちに戻ってから一仕事してもらわねばならぬのだ」
「何を?」
「敵の説得さ」
「……敵?」
首をひねる雅之に、龍星はそれ以上説明をしない。
馬の腹を蹴って、自邸への道を急いだ。
あまりの笑いっぷりに軽く呆れた雅之が正論で諭すと、龍星はいたずらっ子の瞳で軽く肩をすくめた。
「まぁ、山奥であの神社を護っているということだけで、尊敬には値するけどな」
と、ぼそりと呟く。
「それより、今日も俺の仕事がなかったではないか」
雅之は不服そうに唇を尖らせる。
「何を言う。
早朝から馬を手配してくれたではないか。
助かった、ありがとう」
色っぽささえ感じる優美さで振り向き、わざわざ目を合わせて龍星が礼を言う。
そうして、雅之が照れたように視線を逸らすのを見て、また、喉の奥で笑うのだ。
どうも今日の龍星にはいたずらっ子の精神が宿ったようですらあった。
計画が首尾よくいってご機嫌なのだろうとは分かるが、それにしても雅之にとっては面白くはない。
「それだけか?」
「まさか」
龍星は再び雅之に視線をやる。
「今からだよ、今から。
お前にはうちに戻ってから一仕事してもらわねばならぬのだ」
「何を?」
「敵の説得さ」
「……敵?」
首をひねる雅之に、龍星はそれ以上説明をしない。
馬の腹を蹴って、自邸への道を急いだ。


