「なるほど、髪の行方、ねぇ」
それまで黙って話を聞いていた龍星が、緩やかな笑みを浮かべて口を開いた。
「そんなのどうでもいいんじゃないのか?」
「どうかな」
龍星の意味ありげな表情が気になった。
「それで、唯亮殿の相談というのは一緒に髪を探してくれと言うことだったのか?」
「いや。
……違う。
俺にはどうすることもできないことだったよ」
雅之は、暗い声で答えた。
「遠原様に問うのが間違っているってのは分かってるんですけど」
そう、前置きしてから彼は言った。
『呪詛返しを返すことって、出来ると思います……?』
その日、一番深刻な声で、唯亮は言ったのだ。
確実に、相談先を間違っている、と、雅之は思うが、このたびばかりは龍星を紹介するわけにもいかず。
「こればかりは、龍星にも、な」
雅之はいつになく重い表情でそう言った。
それまで黙って話を聞いていた龍星が、緩やかな笑みを浮かべて口を開いた。
「そんなのどうでもいいんじゃないのか?」
「どうかな」
龍星の意味ありげな表情が気になった。
「それで、唯亮殿の相談というのは一緒に髪を探してくれと言うことだったのか?」
「いや。
……違う。
俺にはどうすることもできないことだったよ」
雅之は、暗い声で答えた。
「遠原様に問うのが間違っているってのは分かってるんですけど」
そう、前置きしてから彼は言った。
『呪詛返しを返すことって、出来ると思います……?』
その日、一番深刻な声で、唯亮は言ったのだ。
確実に、相談先を間違っている、と、雅之は思うが、このたびばかりは龍星を紹介するわけにもいかず。
「こればかりは、龍星にも、な」
雅之はいつになく重い表情でそう言った。


