一仕事終えた龍星は、何食わぬ顔で陰陽寮へと戻り、部下の二人に引き続き取り調べるよう命じた。
徹夜明けというのに、結果を気にして帰れないでいる光吉に目をやる。
「賀茂殿。お陰さまで、犯人が分かりました」
龍星は涼しい口調で告げた。
「どう尋問しても、何をやってもびくともしなかった、あの道剣を?!……ですか?」
決して普段は表情豊かとは言えない光吉が、思わず目を剥く。
「どうやって?」
うっかり敬語も忘れるほどの動揺ぶりだ。
もちろん、普段はそんなことを忘れるような無礼な男では決して無い。
「いえ、私は特に何も。賀茂殿の今までの尋問が功を奏したのですよ」
助かりました、と、龍星は何もなかったかのように妖艶な笑みを浮かべて形ばかりの礼を言うだけだった。
こうして、都随一の陰陽師であるという龍星の評判は、高まっていく一方なのである。
徹夜明けというのに、結果を気にして帰れないでいる光吉に目をやる。
「賀茂殿。お陰さまで、犯人が分かりました」
龍星は涼しい口調で告げた。
「どう尋問しても、何をやってもびくともしなかった、あの道剣を?!……ですか?」
決して普段は表情豊かとは言えない光吉が、思わず目を剥く。
「どうやって?」
うっかり敬語も忘れるほどの動揺ぶりだ。
もちろん、普段はそんなことを忘れるような無礼な男では決して無い。
「いえ、私は特に何も。賀茂殿の今までの尋問が功を奏したのですよ」
助かりました、と、龍星は何もなかったかのように妖艶な笑みを浮かべて形ばかりの礼を言うだけだった。
こうして、都随一の陰陽師であるという龍星の評判は、高まっていく一方なのである。


