「私を、もう、誰にも渡さないで」
「まだ、誰にも渡してないけど」
軽口で返すが、毬は返答をしない。
「お願い」
絞るような声で、繰り返す。
「嫌なの。嵐山の時みたいに、自分が知らないうちに何かをしてしまうのが怖いの。
出来るでしょう?
龍なら、私が誰にも乗っ取られないように、出来るよね?」
冷たくなったその唇に、接吻をしなければいられなかった。
毬はしばし、言葉ごと龍星に浚われる。
「もちろん、出来るよ。
でも、そんな強い呪は直接毬にかけたくない」
既に、ここは結界で覆っている。
その上、毬にはある程度の力のある首飾りもお守りとして渡して身につけさせていた。
さらにこの上に何かを掛けるということは、毬の身体にも心にもそれなりの負担を強いることになるのだ。
「まだ、誰にも渡してないけど」
軽口で返すが、毬は返答をしない。
「お願い」
絞るような声で、繰り返す。
「嫌なの。嵐山の時みたいに、自分が知らないうちに何かをしてしまうのが怖いの。
出来るでしょう?
龍なら、私が誰にも乗っ取られないように、出来るよね?」
冷たくなったその唇に、接吻をしなければいられなかった。
毬はしばし、言葉ごと龍星に浚われる。
「もちろん、出来るよ。
でも、そんな強い呪は直接毬にかけたくない」
既に、ここは結界で覆っている。
その上、毬にはある程度の力のある首飾りもお守りとして渡して身につけさせていた。
さらにこの上に何かを掛けるということは、毬の身体にも心にもそれなりの負担を強いることになるのだ。


