砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】

「龍星、今のは本当に毬なのか?」

 帝がその背を見送りながら口を開く。
 龍星は、返事もせずに立ち上がった。

「無礼をお赦しください。
 取り急ぎ、確認したいことがございます」

 龍星は少年の背を追って、そこを出て行く。

「無礼なんていつものことだろう」

 誰にも居ない部屋で軽口を叩いた帝の顔は、しかし、幽霊でも見たかのように青ざめていた。